いや、これ、煽り過ぎだろ

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090512/biz0905122342041-n1.htm
中国の企業が西日本を中心に全国各地の水源地を大規模に買収しようとする動きが、昨年から活発化していることが12日、林業関係者への取材で分かった。逼迫(ひっぱく)する本国の水需要を満たすために、日本の水源地を物色しているとみられる。

中国資本の何を意図してるのかよくわからない経済活動の気味が悪いっていう気持ちは分からなくはないけど「水需要を満たすために、日本の水源地を物色」っていうのはさすがに無理でしょ。三重県の宮川ダムの例が挙げられてるけど、DamMapsで見てみたら最寄りの積み込み港になるであろう松坂港まで50km以上、1.5車線程度の国道をえっちらおっちらトラックが列をなして水運んで行くのだろうか。とても現実的なものとは思えない。
そもそも、日本の川の水って下流でも全然飲料水として使用出来るようなレベルの品質なわけで、仮に水を買い付けようとしても別にそんな山奥に行かなくても…と思う。ほら、嘘か真か需要予測が過大で水が余ってるダムが日本中に有るって報道されてるじゃないですか。きっとその担当者に掛け合えば喜んで水を譲ってもらえるに違いないです、はい。
っていうか、宮川ダムの目的って「洪水調節・農地防災(F) 不特定用水・河川維持用水(N) 発電(P)」なんですよね。どちらかといえば治水メインのダム。これをこういう文脈で登場させるのは若干ミスリードな感じがするようなしないような…。
じゃあ一体なんなんだという話なんだけど、毎日新聞にこんな記事が。

http://mainichi.jp/select/biz/ushioda/news/20090419ddm008070048000c.html
東京財団がまとめた「日本の水源林の危機」という報告によれば、日本一の降雨地帯、三重県の大台ケ原の近辺の水源林に中国企業が触手を伸ばした。森林を伐採して中国に輸出しようという計画だったが、自治体が慎重だったので見送られた。長野県の天竜村でも似たような事例があった、という。
日本林業が苦戦しているのに山奥の森林を買ってもうかるのか。不思議に思うが、もうける方法がある。伐採後に植林をしなければ立派に利益が出る。もちろん森林法違反である。
中国企業の事業意図は不明だが、伐採しっ放しのつもりだったのではないか、という疑いが残る。伐採しっ放しで荒廃した山が各地に出現している。

本当に木が目的だったんじゃないか、という話。っていうか「三重県の大台ケ原の近辺」って産経の記事と同じ場所じゃん。まあ、中国の企業が何をやろうとしているのか分からないけど、産経がとばしてるなー、とは思った。