もういいよ…。

会社のお昼休みにGoogleニュース見てたら、あの中国新聞でこんな社説が。
中国新聞社説…温井ダム 住民サイドの対応を
…いい加減疲れた。突っ込みたくないよー、なんて思ってたら「けんさんのへや」のけんさんがきっちりまとめられてました。「けんさんの日記・けんさんのたわごと:マスコミと温井ダム - livedoor Blog(ブログ)
なんというか、記者は治水について全く知識を持たない上に、悪意をもって書いてるとしか言えないような内容だなぁ、と思うのです。(あれ、社説書く人は記者とは別の人なんだっけ)

毎秒四百トンの放流が川の増水や浸水にどれだけ影響を与えたかについては雨量や地形、水速などさまざまな要因を考慮しなければならないだろう。

と一方で書いていて、400t/sの放流に対していちゃもんつけるのは論理性を全く欠いていると思うのですね。それともあれか、流入量を全量貯留しろとでも言ってるのかなぁ。というのも、

その六時間前までは毎秒十トン余りの放流だった。洪水調節用として貯水には余力があったのに、なぜピーク時に大量放流したのか。

というあたりに、一般的な治水機能のあるダムによる洪水調節についての知識を持っていないんじゃないかと思うのです(ダムが一杯になるぞ、それ、放流しろーくらいのイメージしかもってないとか)。洪水調節容量っていうのは水をただため込む為にあるわけじゃなくて、流入量に対し一定の量をカットして下流に流すためにそのカットした分を蓄えるために有るんです。ため込み続けたたところでいつか一杯になり流さなきゃいけないわけで、仮に今回は貯められたとして(でも、ざっと計算したところ有効貯水量の30%近い量が流れ込んだようです)程度の問題で、予備放流してようがしてまいが、いつでも全量蓄えられるとは限らないわけで…。むしろ全量蓄えるようにしたければ、そういう河川計画立てないと無理なわけです(常に空っぽのダムを何個も用意しておくとか)。
ちなみに、400t/sっていうのはこのダムがあらかじめ定めて居る480t/sという計画最大放流量を下回る流量です。川の治水計画では地点地点で見込まれるであろう最大流量をきめて(基本高水量)、そこからダムなどで調節する分を考えに入れた流量(計画高水量)を策定し、これをもとに堤防の高さなどを決めていくわけです。つまり、この480t/sという流量以下にすることが温井ダムの役目であって、今回はきっちりとその役目を果たしているんだよ、という大前提がなぜ理解できないのかなぁ、と思うわけです。
ちなみにこの基本高水量と計画高水量、かなり余裕を持って定められているということで、問題を抱えているダム計画ではこの基準を見直せという主張がされることもある代物です。太田川の場合、整備途中ということもありまた違うのかもしれませんが(このあたり、けんさんが詳しく書かれてます)。