本当はジオサイトに

東京ジオサイトプロジェクト4「地図にない東京の未来を感じる−地底物語最終章 刻まれた軌跡の全貌−」に行ってきました。という訳で以下レポート

実は昨日一度会場に(11時頃)出向いていたのだが

やたら混んでいたのであきらめて出直す。青春18きっぷがあるので気分的に余裕。

で、日曜日
朝7時の電車に乗り込み、9時過ぎに有楽町駅に着く。日比谷公園に行くと、受付開始は10時なのにもう列ができている。みんな気合い入り過ぎだ

結局、受付開始が30分早まり列が動き始める。
20分ほどで受付までたどり着く。受付で身分証明書を提示して(いろいろ物騒な世の中だかららしい)住所・氏名を記帳し、クロークで荷物を預ける(出口の虎ノ門立坑で受け取れるようになっている)。で、ジオサイト恒例のヘルメット配布である。

ヘルメットをかぶりあごひもを締めて日比谷交差点を渡る。ちょっとしたプレイだな、なんて思いつつ地上にちょこんと出た入り口からいよいよ地下に降りる。

階段を下りると日比谷の緑の多いゆったり広々とした空間とはあまりにもかけ離れた光景が目の前に広がる。1年前の感覚がよみがえる。一気に高くなるテンションを感じつつ通廊を進む。作業ヤードは虎ノ門と比べると狭そう。ここでは展示物はなく、そのままエレベーターで日比谷立坑を降りる

立坑のそこから上を眺めるが、このSFっぽい風景。むき出しのエレベーターがポイント高いよなぁ、などと思いつつ展示物を眺める。シールドマシンの掘削精度についての展示なのだが、最終的な設計とのずれが2mmとのこと。このキロオーダーの値とミリオーダーの値が同時にあらわれる土木の感覚はいつもクラクラさせられる。徳山ダムの見学のときにコア材の管理について見せてもらったときにも思ったが、作るものはやたらでかいが、それはものすごく細かい作業によってなりたってるんだよなぁ。

シールドマシンの刃。今は錆びてるが、到達した直後は削られて銀色に光ってたそうで。
一通りみた後、いよいよ共同溝の中を進む。

トンネルの端に歩道がついていて、見学者はそこを歩いていく。全長は約1.5km、側面に虎ノ門立坑からの距離が記載されたプレートがついている。

トンネル中央部はレールがしかれており、トロッコが通れるようになっている。

こんなのとか

これは、各方面で話題になっているらしい、ピカチュウ2号である。

トンネルの中では共同溝に関する技術的な説明のほかに、これまでの東京ジオサイトプロジェクトを振り返る展示やちなんだ展示がされている。
これは土曜日にワークショップを企画してたlaudというグループの展示。話を聞くとあまりの混雑でワークショップは中止になったとのこと。そのとき使う予定だった資料をもらってメールアドレスを書いてきた。
あと、社会科見学に行こうというコミュ二ティがあることを知る。もともとmixiがらみだったそうなのだが、やってない人もいまは募集してるらしい。あとで登録しよっと。

さて、トンネルと展示物をみつつたらたら歩いていくともう出口のあかりが見えてきた。1.5kmなんて聞いたときはかなり歩くなぁと思っていたのだが、いざ歩いてみると、「もう終わりなの?」という感じである。

虎ノ門立坑にたどり着く。1年前に来た場所だ。工事が完成し共同溝の供用が始まるとセキュリティ上基本的に関係者以外は入れなくなるのだそうだ。立坑も今みたいに吹き抜けの状態ではなくて床をつくってしまうそうだし、トンネルも敷居を作ってしまうとのこと。つまり、この風景をみられるのはいろいろな意味で今しかないのだそうだ。

そんな話を聞いて、寂しいような切ないような何ともいえない不思議な気分で、ともかくこの風景をしっかり味わいつくしていこうと、しばらく共同溝の底で写真をとったり眺めたりしていた。まあ、エレベーターの待ち時間が長かったので一段上ったあともしばらく眺められたのだが。

エレベーターで作業ヤードまで上ってきて時計をみるともう14時になろうかという時間。4時間もこの中にいたのか。テーブルでアンケートとメッセージカードを書く。こうしてみると受付が混んでる原因はエレベーターにあるらしい。見学場所は割合すいていた。

地上に戻る。いままでの光景が嘘だったかのように、静かな日曜日のオフィス街。このギャップにくらくらする。そういえば、資材がなくなってるのか地上部分が広い。作業ヤード内の排水処理施設ももうなかったなぁ。
ダム巡りをはじめた時と似てると思う。身の回りにこんなすごいものがあって今まで気づかなかった・しらなかったのかという事。そんなことを良い形で多くの人に感じさせる事ができた東京ジオサイトプロジェクトにはよくやった!と言いたいし、今回得られたノウハウやらなにやら諸々を各方面で生かしていただけると、私としては楽しみ事がいっぱい増えていいなぁと思う。