DamMapsに新機能追加しました(オーバーレイ地図のUI分離・「川と流域地図」の表示対応他)
今回の修正は
- オーバーレイ地図の表示コントロールの分離(1.3.0:10/24リリース)
- 「DamMaps:川と流域地図」の表示(1.3.0)
- オーバーレイ地図のリンクパラメータ対応(1.3.1)
です。
8月末から作り始めてた「川と流域地図」の対応どうにか出来ました。もうちょっと地図タイルが出来てからにしようかなと思ってたのですが、一旦形になるとどんな感じになってるのか一度合わせておきたいという気持ちとあとDamMaps側のUIの変更をさっさと済ませたいあたりでやってしまいました。なので、今後の地図タイルのブラッシュアップに合わせてDamMaps側ももうちょっと変わる予定です。
いや、でも、合わせてみるといいですね。川と流域地図に合わせることで今まで見えにくかったものが見えてきそうな気がします。たとえば、Twitterで紹介したのですがこんなの。
流域地図を使うと茨城の海沿いに並んだダム、なんでこんな風なのかっていうのが、水系が全部分かれててhttps://t.co/sgqAW95TSS 、沢の出口に作られるからhttps://t.co/eZRjOGjRmp ってわかります。 pic.twitter.com/aCrp1QFVZU
— ダム日和(C88新刊ZINとジュンク堂) (@dambiyori) 2015, 10月 25
これからもより一層活用されていくと良いなーって思ってます。あと、DamMaps実は今年の12月25日でちょうど10周年でして、そこに向けていろいろ新しい機能開発していこうかなーっていう感んじになったりしてますので、どうぞご期待の程よろしくお願いします!
「川と流域地図タイル」のレシピ その1
前にブログに書いた軽い気持ちで始めた「川と流域地図」、現在も絶賛開発中なのですが、どんなことをやっているのか、この1ヶ月ほどで泥縄で身につけた現時点でのあれこれをちょっとまとめてみようと思います。
そもそも何を作っているの?
「地図タイル」とか「マップタイル」と呼ばれるいろんな縮尺で作成した小さな画像ファイルに分割された大量の地図画像を作成しています。
具体的にはこんなの。
こういう、地図を小さく分割した画像ファイルを決まったディレクトリ・ファイル構成に従って作成すると、GoogleMapsのようなスムーズに操作が可能なWeb地図として公開できたり、あるいはカシミール3Dみたいなツールから参照できたりと、利用者が活用しやすい形でネット上に地図を公開することができるわけです。
どうやって作るの?
現在公開しているバージョンの川と流域地図は200万枚以上の画像ファイルで構成されていてこれを人の手で1枚1枚作るというのはあまりにも非現実的、そもそも地図画像自体どうやって作るのか作り始めるまでは想像もできませんでした。ところが、現在、地理情報関係のオープンソースソフトウェア(FOSS4Gと呼ばれてます)がかなり充実してきていまして、それらをうまく使ってみると意外と簡単に地図タイルを作り出すことができちゃったりするんですね。
何はともあれどんなものを使ってどういう風に作っているのか、ちょっと図にまとめてみました。
地図タイルの制作工程の中で核となるツールが図中下段にある「QGIS」と「TileMill」です。
QGISはオープンソース・マルチプラットフォームのGISソフトウェアで、具体的にはShapeファイルという形式で提供される「国土交通省・国土数値情報ダウンロードサービス」の流域と河川のデータについて編集や演算、参照するために使用しています。このQGISですが日本語化もきちんと対応されていて、また、解説書関係も結構充実しているので、わりととっつきやすい状況になっていると思います。地図タイル抜きにしても一度触れてみるとこんなものがあったんだ…!って結構びっくりすると思いますよ。
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CartoCSSと呼ばれるweb開発でおなじみのあのCSSみたいな言語で「川の色は青色で、水系の境界線は黒の太線、流域面積が小さい川はzoomレベルが10以上の場合だけ表示…」みたいな地図のスタイルを記述していくと、Shapeファイルなどの地理データから画像を生成することができます。ただ、QGISではマウスでぽちぽちクリックすればそういう指定ができちゃうんですけど、TileMillの場合テキストエディタが提供されるだけで1行1行CartoCSSの書式を記述する必要があります。まあ、でも、それほど難しい感じではなくて
の解説読んでサンプルの地図のコードをあれこれいじってみたりしているうちに結構簡単に理解できるんじゃないかなと思います(できました)。
ちなみにCartoCSSの条件指定はQGISのそれに比べるとかなり非力で、そういう書式を実現させたい場合あらかじめQGISなどで条件に合うかどうかのフラグ項目を作成したりするなどの下準備をしてTileMillで処理できるshapeファイルを用意する必要があります。QGISとTileMillの二つのツールを行ったり来たりしてるうちに地図ができあがっていく感じでした。
さて、TileMillで生成されるファイルはmbTilesという形式のファイルで、一般のWebサーバで公開するにはここからpngやjpegファイルを取り出してあげる必要があります。その変換を行うのがmb-utilというユーティリティ、Pythonが動く環境が必要です。
GitHub - mapbox/mbutil: Importer and Exporter of MBTiles
https://github.com/mapbox/mbutil
このユーティリティを使うときちんとルールに従ったディレクトリ構成の大量の画像ファイルが生成されるので、そのままWebサーバで公開すれば良いのですが、なにぶんファイルが大量にあってそこらへんを考慮したWebサーバのチューニングしないといけないんでしょうけど、まだそこまで手が回ってません。
さて、基本的にはこれらのツールを使いこなせば個人でも地図タイルをわりと簡単に作成することできる感じなのですが、今回の川と流域地図の場合、国土数値情報の提供する「流域メッシュ」データの品質に問題があっていろいろ手を入れないと欲しいデータが得られない感じでした。そのためにデータを直接プログラムで操作する必要が生じたのですが、そこで登場するのがgeoJSONです。
GeoJSON フォーマット仕様
http://s.kitazaki.name/docs/geojson-spec-ja.html
geoJSONはshapeファイルなどと同じ地理情報を取り扱うためのファイルフォーマットなのですが、shapeファイルと大きく違うのはその名の通りJSONフォーマットのテキスト形式なファイルなんです。つまり、最近の各種プログラム言語なら大体サポートしてるであろうJSONファイルのライブラリを使用してデータの処理ができるんですね。さらに、QGISはgeoJSONに対応しているので、読み込ませたり逆に出力したりすることができるわけです。この使い慣れたプログラム言語使ってデータを直接編集できるというのは制作環境として非常に強力でした。
というわけで、地図タイル制作のざっくりとした話を書いてみました。地図タイル自体はまだまだ開発中でして、僕も1ヶ月ほど前にゼロから始めたものなのでいろいろあれな点もきっとあるんだろうなーとは思いますが、一応最初から最後まで出来たことのマイルストーンみたいな感じでまずまとめてみました。次回は「流域メッシュ」に手を入れたあれこれの話を書こうと思います。
ニコ動でドラマ「半沢直樹」のサントラが使用できるようになって倍返しだ!
niconicoのサービスはJASRACと包括契約を結んでるので、JASRAC契約曲を自分で演奏したり歌ったりするのは問題ないのですが、市販のCDの音源の利用にはさらに原盤権というものが絡んできて動画中で流したりすると権利を侵害する恐れがあります。
ですが、そのへんの権利関係をドワンゴがクリアにしてくれて、使用しても問題が無いCD楽曲というものが存在します、という話を度々ブログで取り上げてきたのですが(ニコ動・ニコ生で使えるサントラを調べてみた - 「まずまずのダム日和」・ニコ動で「やる気のないダースベイダー」と「マツケンサンバ」が使えます - 「まずまずのダム日和」)また、いろいろ動きがあったのでご紹介。
今年の8月1日、「株式会社日音」という権利者の楽曲が大量に登録され、さらに9月10月と楽曲がさらに追加されました。
で、今回登録された楽曲の傾向がかなり偏ってて、まず目を引き大部分を占めるのがドラマのサントラです。タイトルにあげた大ヒットドラマ「半沢直樹」を含む、TBSで放映されたドラマのサントラが大量に登録されていて、MMDなどの物語作品中、倍にして返したいシーンなどで有効に活用できそうな感じになっています。
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これで、「オバQ音頭を踊ってみた」なども権利がクリアな状態で公開できますね。盆踊りの時期終わっちゃったけど。
というわけで、ニコ動のこの取り組み、地味であまり大きく取り上げられることもないのですが、きちんと少しづつ使える楽曲が増えていっているのは本当に素晴らしいことで、ぜひこれからも続けていってほしいなぁ、と思います。あ、でも追加したらプレスリリースくらい出しても良いと思うけどなー。あと、検索機能がやっぱり貧弱すぎるというか。
夏コミの新刊「ダムマンガ聖地巡礼本vol.2」委託販売してます!
もう10月になろうとしてるわけですが、ブログで告知するのすっかりわすれてたので、一応
夏コミの新刊本含む同人誌ですが下記の場所に委託しております。
- COMIC ZIN(店頭/通信販売 http://shop.comiczin.jp/products/list.php?category_id=2241)
- ジュンク堂書店池袋本店 マニ家(7F エスカレーター前)
どうぞよろしくー。
日本の川と流域地図を作ってます
今年の後半はしばらくいじってなかったDamMaps関係のあれこれにきちんと取り組もうって思っててそれで8月の終わりくらいからこんなサイト作り始めました。
リアルタイムの降雨状況にダムのあれこれを載せてみるみたいな、大雨の時の「ダムの自宅監視業務」に便利なようなものを目指して作り始めた、まだ試作レベルのサイトです。
で、ちょこっと作ってみて使ってみるとまー使えないと。とりあえず、これ川とか流域もうちょっとなんとかならないかなーって思ってもうずっと使ってみたかった国土数値情報のデータの活用にちょっと本気で取り組んでみようかなと思って調べてるうちにどうやらQGISというツールを使うとデータ直接いじれそうだとわかって、実際使ってみるとびっくりするほど簡単に表示できて、参考書買ったりしてなんだかんだごちゃごちゃいじってるうちに地図タイルまでできちゃいました。まさかこんなもの作ることになるなんて1ヶ月前までは思ってもみなかったよ。
DamMaps:川と流域地図(暫定公開ページ)
http://dambiyori.sakura.ne.jp/ryuiki/
こちらもまだできちゃったので試しに公開してみたという試作版レベルでして、現在実用になるようにあれこれ作業しています。わかりやすくビジュアライズするのってむずい。
で、こういう経緯で作り始めたものなのですが、作業やってる中で
「流域地図」の作り方: 川から地球を考える (ちくまプリマー新書)
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ちなみに、QGISはちょうどいいタイミングで解説書の新版が出版されて、始めるには良いタイミング。
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[オープンデータ+QGIS] 統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方
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ダムマニア展のトークライブに出演します
現在、神奈川県の相模湖交流センターで大盛況開催中の「第3回ダムマニア展」。8月15日に行われるトークライブで、なんと、作者の井上よしひさ先生を交えてダムマンガ聖地巡礼の話をします!
「ダムマンガ聖地巡礼」
takane(HP「ダム日和」管理人)、井上よしひさ(漫画家)
http://www.sagamiko-kouryu.jp/event/
参加費1000円(ワンドリンク・ミニプレゼント付き)
コミケ1日目の翌日ということで、僕が大丈夫かという感じがしなくもないですが、どうぞよろしくお願いしますー!
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夏コミのご案内 #C88
すっかり1週間前ですが、夏コミサークル出展します!
コミックマーケット88 14日(1日目)東メ35a
https://webcatalog.circle.ms/Circle/11926895
新刊はこちらです
私立荒玉女子高校 ダム部 活動日誌 vol.2 -ダムマンガ聖地巡礼ガイドブック-
A5横カラー26P
頒布価格:600円
女子高生ダム趣味漫画、井上よしひさ著「ダムマンガ」に登場するダムに「聖地巡礼」してみた本第2弾(ダムマンガ2巻対応)。前回同様、作中の黒部さんたちの足取りを読み取ってできる限りそれに近い形でダムめぐりしてみました。今回は作中で実際に訪れたダムに加えて、触れているけど作品はそこで終わってる新潟県の黒又ダムも取り上げています。
このほかに既刊の
を持っていきますのでどうぞよろしくお願いしますー!
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